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ふれあいネットワーク 社会福祉法人 全国社会福祉協議会

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分野別の取り組み

社会福祉協議会(社協)

社会福祉協議会 創設70周年

※「全社協アクションレポート」第198号(2021年8月2日)特集より

2021(令和3)年6月、社会福祉協議会(社協)は創設70年を迎えました。

社協について規定する社会福祉事業法(現在の社会福祉法)の施行(昭和26年6月1日)当初は都道府県社協のみが規定されていましたが、その後、関係者の強い要望の結果、1983(昭和58)年に市町村社協の法制化(社会福祉事業法の一部改正)が図られ、2020(令和2)年4月現在、全国に1,825市区町村社協が設置されています。

「社会福祉事業法」の制定

1947(昭和22)年10月に開催された戦後初の全国社会事業大会(現在の「全国社会福祉大会」)では、社会事業法(昭和13年7月施行)の改正についての要望が強く出されました。その背景として、戦争により壊滅状態となった民間社会事業施設の復興が資金不足や憲法第89条の民間慈善・博愛事業への公金支出禁止により行われなくなったこと等があげられます。

また、当時、生活保護法(昭和21年、25年)、児童福祉法(昭和22年)、身体障害者福祉法(昭和24年)のいわゆる「福祉三法」など国民の窮状に対応して福祉関連法が前後して制定されたため、社会福祉事業全般にわたる基本法を新たに制定し、関連法を体系化しようとする意図があったものと考えられます。

こうしたことを受け、厚生省(当時)社会局、参議院厚生委員会、日本社会事業協会(現在の全社協)を中心に基本法案作成に向けた研究・検討が行われました。そして、社会福祉事業の全分野にわたる共通事項を定め、既存の福祉立法とあいまって社会福祉事業の公明かつ適正な実施を確保するため「社会福祉事業法」(現在の「社会福祉法」)が1951(昭和26)年3月に成立、同年6月1日から施行されました。

都道府県社協の整備

戦後、社会福祉団体の再編に向け、全国から市町村段階まで一貫した振興連絡機関の設置が検討され、今日の社協組織の創設へとつながります。まず前記のように全国段階、都道府県段階において社協の法定化が図られましたが、このうち全国段階では、「日本社会事業協会」(全社協の前身)、「同胞援護会」、「全日本民生委員連盟」の三団体統合による新組織として中央社会福祉協議会(中央社協)が1951(昭和26)年1月に発足しました(後に「全国社会福祉協議会」に改称)。

都道府県社協を規定した社会福祉事業法の施行により、社協を通じて社会福祉のための地域社会組織化事業が本格的に推進されることになったことを踏まえ、厚生省は、昭和26年4月に開催した都道府県民生部長会議において、社協の健全な発展のための取り組みを自治体に対して要請を行いました。

要請に対して中央社協においては、第1回地方協議会を全国7ブロックに分けて実施し、(1)社協(専門部会の組織と運営)の運営、(2)小地域における社協の活動方策、(3)共同募金委員会との協同活動、(4)「郷土福祉の日」の実施等について協議を行いました。このような中央社協と厚生省の働きかけが奏功し、昭和26年12月までに全都道府県で社協組織が整備されるところとなりました。

市区町村社協活動の推進と法人化・法制化

社協創立20周年を機に「市区町村社協活動強化要項」が策定されました(昭和48年)。要項では基本方針として、(1)福祉課題への取り組み強化、運動体社協への発展、(2)小地域の「住民福祉活動」を基盤とする、(3)ボランティア活動のセンターとして社協を確立する、ことが示され、それまで行政と社協が組織面で未分化な部分があったものの、本要項によって市区町村社協の(社会福祉)法人化を推し進めることとなりました。

その後、市区町村社協の法人化や事業の拡大が進んでくると、市区町村社協が社会福祉事業法において規定されることが強く望まれるようになり、昭和50年代には都道府県・市区町村の議会に対する請願運動が全国で一斉に展開されるに至りました。

1981(昭和56)年には、市区町村社協予算対策特別委員会を引き継いで設置された「地域福祉特別委員会」(現在の全社協「地域福祉推進委員会」)では、昭和57年中を目標に議員立法で社会福祉事業法の一部改正を行い、市区町村社協法制化を実施するとの方針を決定、全国的な署名活動等を展開しました。このような請願運動や署名活動を背景に、当時の田中 正巳 参議院議員が中心となって議員立法として社会福祉事業法の改正案が国会に提出され、1983(昭和58)年5月に可決成立(施行は10月)、市町村社協の法制化が実現するところとなりました(政令指定都市の区社協の法制化は平成2年)。

社会福祉基礎構造改革と社協

社会福祉事業法の立法当時は都道府県社協のみが規定されていたこと、昭和58年の同法一部改正により市町村社協が法定化された経緯から、この間、ともすれば都道府県社協に重きが置かれてきたとされる一方、現在の社協活動は事業者間の連絡調整のみならず、社会福祉活動への住民参加を推進する事業、住民参加による社会福祉を目的とする事業の実施が中心になっていることを踏まえ、2000(平成12)年の同法改正(社会福祉法へと改称)においては、より住民に身近で、地域福祉の推進の直接的な担い手である市町村社協を社協の基礎的な単位として位置づけ、規定することとされました。

また、都道府県社協に関しては、平成12年の社会福祉法成立で結実することとなった社会福祉基礎構造改革により、福祉サービスの利用が原則として行政による措置から利用者と事業者の相対の契約に基づくものに移行したことを踏まえて創設された(1)福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)、(2)運営適正化委員会事業(福祉サービスの苦情解決等)、(3)福祉サービス第三者評価事業の実施等、社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導および助言、等の取り組みについて、法律上特別な位置づけがなされました。

地域共生社会の実現に向けて多様な実践を図る

現在、政府は地域共生社会構築に向けた施策を進めており、そのひとつとして地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な福祉サービスの提供体制を整備することを目的とした改正社会福祉法が2021(令和3)年4月に一部施行されました。

これまで、社協は、それぞれの都道府県、市区町村で、地域に暮らす人びとのほか、民生委員・児童委員、社会福祉施設・社会福祉法人等の社会福祉関係者、保健・医療・教育など関係機関の参加・協力のもと、地域の人びとが住み慣れたまちで安心して生活することのできる「福祉のまちづくり」の実現をめざしたさまざまな活動を行ってきました。政府が進める地域共生社会づくりは、全国の社協がそれぞれの地域の実情に則して行ってきたまちづくりの活動をさらに推し進めていくことにほかなりません。

社協創設から70周年を迎え、全社協では全国の社協関係者と力を合わせ、組織基盤の強化とともに、その活動の拡充を図っていくこととしています。

とくに地域住民の多様な地域生活課題に積極的に対応することができるよう、社協が福祉関係者の「連携・協働の場」としての役割・機能をこれまで以上に果たしていけるよう、幅広い関係者との連携・協働をさらに進め、「全社協 福祉ビジョン 2020」が掲げるともに生きる豊かな地域社会に向けた取り組みを展開することとしています。

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