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ふれあいネットワーク 社会福祉法人 全国社会福祉協議会

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福祉のガイド

全国各地の福祉の実践事例(見る・わかる)

子育て支援、子育て不安や孤立防止~子どもの豊かな育ちをサポートする

少子化や核家族化の進展等、社会経済の変化により、子どもや子育てをめぐる環境は大きく変化しています。様々な事情で課題を抱える子どもや子育て家庭を支援する取り組みがますます重要になっています。

幅広い保育ニーズへの取組み、多施設併設による子育て家庭への支援
(社会福祉法人 倉吉東福祉会 倉吉東保育園【鳥取県倉吉市】)

倉吉東保育園の外観の写真

保育園の概要

倉吉東保育園は、社会福祉法人倉吉東福祉会が鳥取県倉吉市に昭和50年4月に開設しました。保育士、主任保育士、調理員等30名を超える職員が、約160名の乳幼児の保育に携わっています。延長保育や一時保育といった特別保育を実施するだけでなく、保育ニーズによっては近隣都市からの入所にも対応しています。

子どもたちにより多くの体験を

倉吉東保育園では、3歳未満児に対して保育士を担当制にし、特定の保育士が子どもたちと一日をより深く過ごせるようにしています。また3歳以上児に対しては、異年齢保育を行い、遊びや運動を通して、歳の違う子どもたちが互いに育ち合えるよう工夫しています。他にも天神川河川敷を利用した土手すべりや、指先を使うことを目的とした風呂敷の使用、園特製ヨーグルト等を通した食育等、独自の取り組みを通して、子どもたちがより多くのことを体験し、成長できるようにしています。

他施設併設による子育て家庭への支援

さらに倉吉東保育園の特徴として、同法人が運営する児童センター、子どもの発達デイサービスセンター、地域子育て支援センターを併設していることによる多様な子育て支援ができることが挙げられます。

倉吉市ではすべての保育所が障害児保育の受け入れを実施していますが、倉吉東保育園での障害児保育は、デイサービスセンターが行う個別支援と保育園での集団生活を組み合わせて、子どもたちの発達や成長を一歩一歩積み重ねるスモールステップでの支援をしています。子どもたちにとってどうしたら「できた」「参加した」と感じることができるのかをそれぞれの職員が共有することが大事だといいます。支援を通じて、子どもが大きな声で挨拶ができるようになる等変化が見られることで、保護者が子育てに手応えを感じることにもつながります。

地域の子育て家庭への支援では、地域子育て支援センターが中心となり、体験保育や子育て相談等を実施し、集団の中で過ごす自子の姿を見て成長の様子を確認したり、子育ての不安や悩みを専門職と一緒に解決できるようにしたりしています。未就園児を抱えていても保育の専門職が身近にいることで、親子の孤立を防ぐことにつながるのです。

このように倉吉東保育園では、4施設の機能やスペースをうまく活用しながら、子どもや子育て家庭への多様な支援を実施し、地域の次世代育成の拠点としての役割を果たしています。

(2011年7月5日)

子どもたちの「居場所」となる中学校での活動(富山県 富山市藤ノ木校下民生委員児童委員協議会)

中学校のカウンセリングルームの、空き時間活用を提案

富山市藤ノ木校下民生委員児童委員協議会は、民生委員・児童委員22名(うち主任児童委員2名)で約5,800世帯を担当し、より深く学校にかかわり、子どもたちに身近な活動をしていきたいと、平成14年から中学校で子どもを見守りする「ほっと相談員」の活動を行っています。

当時、週1回しか使用されていなかった学校のカウンセリングルームの空き時間の活用を民児協として提案し、学校側も「生徒が校内で地域の人とふれ合うことに意義がある」と考え、ほっと相談員の活動がスタートしました。

生徒たちが気を許せる、ほっとできる場所

相談員の活動は、主任児童委員と児童委員が交替で務め、月曜日から木曜日まで昼休み前後約1時間カウンセリングルームで生徒たちに接し、毎日30~40名の生徒たちが集まり歌や流行していることを話題にゲーム等をするのを見守り、時に学校での出来事に耳も傾けたりもします。

ルームの入口に貼り出した当番の主任児童委員や児童委員の日程表を見て、特定の委員を訪ねてくる子どももおり、時には将棋の相手をする委員もいて、生徒からリラックスできる場所として親しまれています。

“生徒たちの話を聴く”という姿勢、同じ目線で向き合うことを心がけ、「相談」を意識しすぎないように、生徒たちが気を許せる場所、気分転換ができる居心地のよい場所にし、当日の様子や感想を委員が活動日誌に記入し、特に気になることは学校に情報の共有化を図っています。

学校、スクールカウンセラーとの連携

学校との緊密な協力体制のもと、ほっと相談員の活動は10年を超え、学校から「安心できる場所として生徒たちの心を引き付ける居場所になる」と評価され、民児協では活動継続と委員の資質向上に向けて、学校・カウンセラーと定期的な研修機会を持ち、より良い居場所へと努めています。

また、登校時の「子ども見守り隊」の活動も行ない、「ほっと相談員」活動を始めてからは子どもたちと気軽に声をかけあえられ、地域行事に参加する子どもたちも増えており、学校と連携して子どもたちと積極的にふれあい、さまざまな悩みに寄り添えるよう活動をしていきます。

(2013年8月28日)

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